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あー。それで。 ちょっとガキっぽいとこあるんだよな。 まあ。それが結構可愛かったりもするんだけど。 「いただきます。」 ネギマに齧り付き モグモグと噛み締める。 ああ。成る程。 「・・確かに。今までのタレより自然な甘みに コクが出ますね。んー。でも。。」 不思議だな。 照り焼きよりアッサリ感じて物足りない。 なんでだろ。 「納得いかねえ顔してんな。」 指摘され 思わず苦笑する。 つい顔に出ちゃうんですよね。。 「すいません。」 素直に謝るとひらひらと手を振られた。 「別に謝ることはねえ。わかってて出してるからな。 確かにこの醤油は今までよりもずっといい。 とはいえ焼鳥のタレは継ぎ足し使うもんで 敢えて薄目で作るからこの状態だと物足りない。 まあ。それに他の材料との割合も不完全。 もっと研究しなきゃいけねえんだがな。」 「そうですね。それに砂糖もちょっと。 ザラメですよね。元々醤油に甘みが あるので 相性が難しいのかなぁ・・。」 そう言いながら 残りの焼鳥を平らげ 「ご馳走様でした。」と頭を下げた。 つまり。 十条の醤油はかなりいい。 使ってみる価値はあるけど 今の状態だと 試作が必要。って話だよな。 通常だと じゃあ試作手伝いますってなるんだけど。 上手くいけば入れて貰えるから売り上げになるし。 だったら・・。 「これ。三沢にやらせてみていいですか?」

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