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中に入ると カウンターに男性が座っていた。 「おう。」と雨宮さんに声をかけて貰い 急いで頭を下げる。 まずかったかな。 時間間違えたかも。。 慌てて時計を見ると カウンターに座っていた男性は ふるふると首を振った。 「大丈夫ですよ。時間ピッタリ。」 そう言ってニコッと笑う。 うわ。 カッコいい。 誰だ。このイケメン。 芸能人みたいだな。 焼鳥屋と全然マッチしてないけど・・。 急いでまた頭を下げると 雨宮さんは怪訝そうに イケメンへと目を向けた。 「なんだよ。面識ねえのか。」 「無いですね。涼の会社の人はうちの店 ほとんど来ないんで。」 ニコニコと優しそうな笑みを浮かべながら 俺にぺこりと会釈を返してくれる。 え。 涼・・って。。 雨宮さんはめんどくさそうに男性を指差した。 「新だ。涼の・・そのなんだ・・ルーム・・ えーーー・・間借りしてる家の奴だ。 自分で食いもん屋やっててよ。 今日は定休日だってんで 暇なら来いって 声かけただけだ。」 「ルームシェアですよ。説明ざっくりしてますね。」 イケメンはくすくす笑いながら雨宮さんにそう言って 真島さんと苦笑いを交わすと俺へと向き直る。 「檜垣新です。初めまして。三沢くんだよね。」 「あ。はい。そうです。は・・はじめまして。 叶さんにはいつも・あの。お世話になってて・・。」 ああ。うん。聞いてるよ。とまた微笑んだ。 マジでカッコいい・・。 叶さん。こんなカッコいい人とルームシェアとか 劣等感感じないのかなぁ。 ああ。まあ。叶さんもモテるけど。。 タイプが全然違う。 どういう関係なんだろ。 同級生とか幼馴染とか。。 プライベート謎だったから ちょっとびっくり。 なんて余計な事を思っていると早く座れと 雨宮さんに促され急いでカウンターの椅子を引いた。

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