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「えっと。。俺に話って。」 涼介はファミレスのボックス席で 相対する白髪の男性に向かって そう口を開いた。 三沢が雨宮さんの所に付きっきりになり アイツがやる筈だった仕事を代わりに終え 会社を出ると この間 閉店過ぎまで居座っていた 男性が何故か俺を待っていて。 「叶様。申し訳ありませんが お時間を少々 頂けますでしょうか。新様の件で。」 そう言って 深々頭を下げられた。 びっくりしたよなぁ。。 新様って何だろ。 仕方なく 駅近くのファミレスに入ったけど。 白髪の男性は上品にコーヒーに口をつけ はい。と頷くと 頭を下げる。 「新様を説得して頂けないかと思いまして。 貴方の仰る事は聞くと伺っております。」 そう言って ニコッと笑みを浮かべた。 説得。 何を? 俺の疑問がわかったのか 白髪の男性 久米さんは 説明を開始して。 まあ。つまり。 ずっと疎遠だった新の親父さんはいくつか 会社を経営していて。その事業の一部を 新に任せると言い出していた。 前から実はそうするつもりだったらしく 店を辞めろと打診はかなり前から続けていて でも。一度も話をまともに聞いて 貰えなかったらしい。 ラチが開かないと店に行ってもあの様子。 で。俺から言わせようと企んだって話。 まあ。その前に 俺と新の関係を把握していて それに関しては何も言わないのも不思議だよな。 親子としての関係性を築けてきて無いのか 心配も興味も無さげに感じる。 こうやって使いの人に任せてる事自体もね。 気分悪いですよね。

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