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あーあ。 雰囲気最悪なんですけど・・。 これだけ頑なな様子も珍しいしなぁ。 新は俺と目を合わさず カウンターへと戻る。 まあ。 なんて言ったらいいかわかんないんだろうけど。 ね。 カウンターの椅子を引き 座ると トントンとカウンターを指で叩く。 バツが悪そうに俺に視線を向ける新に 「生ビール下さい。」 そう言って財布から千円札を出すと 貯金箱にポンと入れた。 はい。と神妙に頷き ジョッキを出して 生ビールを注ぐ。 怒りなのかなんなのかちょっと手が小刻みに 震えてるように見える。 トラウマなんだよな。 親の事が。 関係ないって言いながらやっぱりまだ囚われてる。 しょうがないよな。 ガキの頃に受けた仕打ちはなかなか簡単には 払拭出来る筈も無し。 とはいえ。 久米さんは純粋に心配していたように見えた。 新に権利が無いって言われてピクっと肩を揺らして。 まあ。確かに無いんだろうけど。他人だし。 でもあの人はそういう気持ちで新と 接してきたんじゃないような・・。 わかんないけど。 新は俺の前に生ビールをすっと出すと ぺこりと頭を下げた。 「ごめんね。嫌な思いさせて・・。」

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