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堀田は部下でもあるけど ちょっとした交流があり。 女子社員が血眼になって頑張るのが 自社製品に全く関係ない ただのイベント的な チョコレートのレシピコンテスト。 かなり高額なクオカードが賞品。 ・・まあ。女子は出世より実弾ですから。 で。何故か堀田は毎年 その応募用レシピで作った チョコをバレンタインに俺にくれる。 見た目も質素で地味な印象。 仕事も真面目で堅く 困った時は堀田に頼めば って事務処理を任せきってる社員も多い。 まあ。実際自分でやるより早いですからね・・。 仲が悪いんじゃないんだろうけど 余り 他の女子社員とつるんでキャイキャイやらないし 昼飯も弁当持参で席で もそもそ食べているタイプ。 でも料理は好きみたいで このコンペは毎年必ず 応募をしていて 一度惜しいとこまでいった。 で。俺にくれる理由ってのがまた秀逸。 初めて はい。って渡された時困りましてね。 基本 その手の物は義理以外は受け取らずに きたんだけど。 とはいえどうも雰囲気的にそうでもないから なんで俺?って聞いたら 「叶さん。他の人より味覚 優れてますよね。 今の仕事のやり方。そうじゃないと 出来ないんじゃないかといつも思ってたんです。 あ。だからあの全然そういう意味じゃないので。 良かったらご一緒に食べて下さい。 出来ればお二人の感想を教えて貰いたいし 遠慮なくダメ出しもして頂きたくて・・。」 ん。 ん? 「へ?・・えっと・・・ん?」 それは一体・・・。 どういう事ですか? 堀田は慌てて手を振りながら言葉を続けた。 「すいません。かなり前から叶さん チョコレート 受け取らないって他の子から聞いていたので。 それにいつも会社の飲み会も早めに切り上げて 帰りますよね。皆さんから色々突っ込まれても ごまかしてはっきり言わないし きっとどなたかいらっしゃるんだろうなって。。 なのでご迷惑にはならないようにしたいんです。 彼女さんにもご説明頂いて協力して貰えたらなと。」

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