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「ずっと一緒にいるとか。無理なのかな。 やっぱり。人の心は変わっちゃうの?」 その声音がまるで駄々っ子のようで。 それでいて不安げに響く。 ああ。まあな・・。 茂さんの件もそう。 木崎の話もそう。 新にしたら 自分の親がそうで。 一緒に居る時はその人が一番って思ってて。 でも 何かをきっかけに違う人を好きになる。 気持ちが冷めて 別の熱に全てを持っていかれる。 意外とそんなのって当たり前の様に起こっていて。 うーん。 でもこんな時こそ 俺は敢えて冷静に。 「まあ・・。絶対なんて無いかもしんないよな。」 そう返すと またきつく手を握られる。 「涼も・・?」 おいおい・・。 痛いですけど。。 「そんなの俺だけじゃないだろ。 新だってもしかしたら心変わりする事が あるかもしんないじゃん。」 その言葉に新はガキの様にブンブン首を振った。 まあな。 わかるけど。 「だから。可能性の話だろ? ホントにそうだって 言ってんじゃないし。新以外誰とも付き合った事ない 俺にはわかりませんよ。今で精一杯で これからどうなるかなんて そんなの。 ただ。思うんだけどさ。。。。」 とその時 雨がぽつりと落ちてきた。 ああ。ヤバい。 新の手を引っ張り 屋上の端に置いてあるベンチまで 移動する。屋根がついてるから濡れはしない。 「あー。本降りになってきちゃったな。」 とりあえず二人でベンチに座ると で?と新はさっきの話の続きを促した。

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