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「そっか。じゃあ話はついたんだな。」 涼介はスウェットのままカウンターに座り 新が淹れたコーヒーに口をつけた。 あー。旨い。 昨日は飲み会。 森保さんとこと雨宮さんとこの合同の新年会が 忙しさでずれずれになっていて え。今更?ってなくらいで やっと開催。 さすがに呼ばれて行かない訳には いきませんからね・・。 雨宮さんには三沢の面倒も見て貰ってるし 最近はアイツも楽しそうで。 いい影響が出てるのか 新規も一つ 取れそうな所まで来てる。 おかげでしこたま飲まされた。 もぉ~ 雨宮さん暴れちゃって暴れちゃって・・。 三沢と山崎さんはぶっ潰れ 桜井さんと森保さんは ニコニコしながら静かに飲んでて 他の従業員さんはゲラゲラ笑って 真島さんが必死に雨宮さんを止めるとゆーー。 すごかったよなぁ・・。 まあ。 今日は休み。 新が気を利かせて朝やるべき仕事は全部 昨日のうちにやってくれたおかげで ランチまで時間がある。 で。 昨日話したかったんだろうけど 俺のダメージ MAX状態を見て 今朝まで待ってくれていて。 茂さんの店の件。 茂さんは もういいから。って言って 田舎に帰っていったけど 新はそれからも絶対諦めなかった。 知り合いの不動産関係の人に色々と手伝って貰って スギさんが権利を売った先を見つけて。 久米さんに相談してまで弁護士用意して。 久米さん。喜んでたよな~。 向こうとオンラインで繋げて話したけど 画面の向こうで 「新様がこの私を頼って下さるなんて・・。」って おいおい泣いちゃって・・。 本来だったらこの手の小さな案件をやるような 弁護士さんじゃ無いぐらい優秀な人を 紹介して貰った。 新は口をつけていたカップを離し コクンと頷く。 「うん。やっぱり書類の署名とハンコ。 偽造だったからね。 スギさん見つけ出して 弁護士が文書偽造で 逮捕される事になるかもしれないって言ったら 青くなって全部放棄したよ。 ただ 既に手付は打っちゃってて・・・。」 ・・まあ。返せる訳無いんだろうな。 売るのを止めれば手付は返さないといけない。 相手も騙されたようなもんだし そのまま取引を 続ける気も無いのが普通。 案の定 手付をすぐに返せって言ってるらしい。

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