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「あらたぁ・・。」 甘えた声音に ソファーの背もたれから身を離して ん?と顔を覗き込むと 涼はまた唇を尖らせていた。 「何。どうしたの?」 大好きなお笑い番組見てるはずなのに そう言えばさっきからずっと難しい顔してる。 読んでいた本をサイドテーブルに置き 地べたにペタンと座っていた涼を 引き摺り上げて腿を正面から跨らせて座らせた。 あれ。 なんか怒ってるのかな。 完全に不貞腐れモード・・。 かなり遅い時間に帰ってきて。風呂に入れて 飯を食わせて 寝るまでの間はテレビタイム。 その間は俺は本を読んだり酒を飲みながら 一緒にわからないなりにテレビを見たり。 愚痴が言い足りない涼の話を聞いたりが 普段の時間の過ごし方。 セックスは涼に負担がかかるから 平日は 出来るだけしないようにしてるしね。 ・・まあそうはいかない時もあるけど。 ちらっと時計へ目をやるともう0時を過ぎてる。 そろそろ寝かせた方がいいかな。 でも。普段ならすぐに目がトロンとしてくるのに 今日はどうもそういう雰囲気じゃない。 帰って来た時から少し不機嫌で。 でも何も言わなかったから 疲れたのかなって 思ってたんだけど。 「どうしたの? 何か嫌な事あった?」 ちゅっと尖った唇にキスをすると んーーーー。とまた唸り声を上げた。 「服部と話したんだよ。この間うち来た時の話。」

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