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会社を出ると雨は本降りで 薫は はぁ。とまたため息をついた。 叶が傘貸してくれたけど。 雨は嫌いだな。 大和と別れた時も雨が降ってて。 自分で言い出したくせに家に帰って大泣きして。 あれから全然成長していない。 忘れようと仕事ばっかりして。 彼女を作らない俺に業を煮やした親の勧めた縁談も 結局断って。 同期として。管理の人間として 普通にしなきゃって思いながら 大和の傍に居ると何処かいつもドキドキしてて。 気づかれないように必死に普通を装って。 もっと叶みたいに素直になれたら・・。 その時 目の前の道路に停まっていた車のドアが開き 大和が車から降りてきた。 え・・。 「遅かったな。明日は休みだろう。行くぞ。」 そう言って俺の腕を掴む。 「ちょ・・ちょっと待って。なんで・・。」 大和は何も言わず 俺を車に押し込むと 運転席に戻りエンジンをかける。 「涼介が連絡してきた。お前がまだ会社に居ると。 明日休みらしいからちゃんと話をしろってな。」 そう言って 俺へと視線を向け 肩を竦めた。 「お前がふらふらしているとアイツの気が 休まらないそうだ。一体どういう話だ?」 ああ・・。 意地悪したお返し・・。 説明する気にもならず 黙って首を振る。 大和は ふん。と鼻を鳴らして車をスタートさせた。

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