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そうだった。 大和は強引でぶっきらぼうだけれど 本当はすごく優しくて。 無駄な事は言わないし 言って欲しい言葉も 全然言ってはくれなかったけれど 黙って傍に居て こうやって手を握ってくれる。 それだけで幸せだと思っていた日々もあったのに。 どこでわからなくなったんだろう。 自分で目を背けていただけなのかもしれない。 ふっと心の重荷が軽くなる。 次の瞬間 握られた手の温かみに 心臓がドキドキと脈打ち始めた。 な・・なんで・・。 今更こんな・・。 大和は俺の顔を覗き込むと 安心したかのように 口元にまた小さく笑みを浮かべる。 「やっと血の気が戻ったな。」 そう言って俺の手を握ったまま 廊下を進み リビングに入って 俺をソファーへ ストンと座らせた。 すぐにキッチンへと行き 缶ビールを持って 戻ってくる。 ほら。と渡され 受け取ると 大和はドスンと床に座りゴクゴクとビールを飲んだ。 その様子を横目で見ながら ビールに口をつける。 ああ。美味しい。 喉。カラカラだったのも気づいてなかった。。 ちょっとホッとして 息を吐くと 大和はくすっと笑い 煙草に火をつけた。 この匂いも変わらない。 いつも包まれて 安心していた事を思い出す。 「で。薫が拘っているのは 俺が不特定多数と 遊んでいたからか。」 いつもの如く 何の前フリも無く そう聞いた。

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