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違わない。 ・・もう。 何これ。。 いい年して 二人で醤油握りしめて。 バカみたい。 でも。。 知ってる。 大和がどれだけこれに力を注いでいたか。 いつも遅くまで一人で残って。 上手くいかずに 物を放り投げて 頭を抱えて。 大和は一人でいつも戦っていて。。 声をかけたくても かけられずにいた。 ただ気付かれないように見ているだけだった。 ・・それが。 こんな理由だったなんて。 ・・俺の為だったなんて。 おかしくて涙が出る。 手に持つ醤油が滲んで見える。 理解出来る。 言葉なんか無くたって。 痛いほど理解・・出来る・・。 薫の瞳からポロポロと涙が零れ落ちる。 大和は指で受け止め 目尻を優しく撫でると 顔がゆっくりと近づき 唇が柔らかく合わさった。

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