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「どこ行くって食うんですよ。」 食う。 「え。空港で?着いたばっかだよ。」 「着いたばっかだからですよ。 何言っちゃっちゃってんですか。」 カラカラと音を立てながら俺の元に戻ってくると 今度は涼が俺の手を掴む。 「ほら。こっち。行きはこっちで 帰りはあっち。もう決めてんだから。 出張で来た時はさ。帰りしか食えなかったんだよ。 上司と一緒で行きたいって流石に言えなくてさ。 帰りは一人だったから。 だから今回は行きも帰りも食うんです。 最高のスタートを切って最後もパシッと〆る。」 そう言いながら俺の手を引き 空港を歩き始めた。 って何を食うんだろ。 仕方なく黙って されるがままについていくと 目の前にカウンターの小さな店が見えてくる。 店と言ってもドアがある訳でもなく 急に現れるカウンターって感じ。 赤い暖簾にタコのキャラクター。。 あー。 たこ焼き・・か。 「大阪のたこ焼きはさ。店で全然味違うんですよ。 出張の時 食いまくったんだけど それにびっくりしてさぁ。同じ店名なのに。 焼く人で違ったり その店舗独自の味があったり。 これはね。いい勉強になりましたよ~。 それを知ってからはさ。チェーン展開してる店の オーナーさんそれぞれに違う製品勧めて 卸すようになった。 同じだからって全部同じじゃねえんだよなぁ。」 涼はそう言ってニカっと笑うと 「こんちは~。」と カウンターの椅子を引いた。 7割くらい埋まってる。 リーマンに家族連れや旅行なのか若いカップルも。 みんな美味しそうにたこ焼きを頬張りながら ビールをグビリ。 ああ。成る程ね。 もう空間が土地の色を表してる。 「・・ワクワクするね。」 「だろ。」 涼は早速生ビールとオーソドックスなたこ焼きを頼み ニコニコと嬉しそうに微笑んだ。

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