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「そう。もし先に俺が死んだら。 涼にあの家と店を譲りたいと思ってる。 人を雇えばオーナーとしてやる事も出来るし 店はやらなくても涼には居場所が残るでしょ。 共有名義なら例え相続で血縁に取り分が生まれても 金を払えば自分の物に出来る筈だって この間手伝ってくれた弁護士さんも言ってて。」 俺の両頬に大きな掌をあてる。 「俺が居なくなっても。あの場所があれば 涼の傍に魂として一緒に居られるような気がして。 バカみたいって思うかもしれないけど それなら少し安心出来る。だからそうしたいって 話をしたかったんだ。」 えーー。 死んだらなんて。縁起でもない・・・。 って思うけど。 まあ。でも。 そっか。 絶対そういう日が来ないとは言えないんだよな・・。 「茂さんの件。色々大変だったでしょ。 でも。という事はそうしておいたらなかなか 簡単には離れられない。そういう繋がりが出来る。 俺にとってはそれが一番安心出来るの。 だから。お願い。そうしてくれないかな。」 新は懇願するようにそう言った。 もう・・。 ため息が出る。 「お前さ。そういう大事な話こそ事後報告じゃなくて 考えた時に話しなさいよ。久米さんとかに 相談する前にさ。」 手を払い 新の頬をぎゅーっと引っ張った。 「・・ごめんなひゃい・・。」 ホントですよ。 そんな大事な話。 まあ言いづらいってのは分かるし 新の性格なら ある程度きちんと調べて 不安事項潰してから口にするのも理解出来るけど。 後はまあ。死んだらなんて話したくないって 俺に拒絶されるのをビビってたのもあんのかな。 なかなか言い出せなかったみたいだし。 うん。

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