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パッと手を離すとすりすりと自分の頬を摩りながら 新は眉を下げた。 「この旅行の間に話しようって思ってたんだけど どうせなら早めにしといた方がいいかと思って。 ね。涼。お願い。お願いします。」 深々と頭を下げる。 「そんなにお願いするような事じゃないだろ。 こういうのはお互い様って話です。 じゃあ。逆に俺が先に死んだらどうすんだよ。 お前。それは考えないようにしてんだろ? 後追うからいいやとか無しだからな。 来てもあの世で追い返してやる。」 全く。 新の方が心配なんですよ。 良くも悪くも俺しかないんだからさ。新さんは。 俺が居なくなったらどうするなんて 考えただけで不安になる。 ・・ああ。そっか。 自分に置き換えてみりゃよくわかるってヤツだな。 これ・・。 だったら。 図星だったのか 途端にシュンとする新を睨みつけ ふん。と鼻を鳴らし腕を組む。 「じゃあ。こうするならいいよ。 俺もその遺産相続の書類作る。大して財産無いけど 久米さんに話しといて。俺の分もって。 かかる費用もちゃんと払います。 それから。あの家は親から譲り受けたにしろ 俺と共有名義にするなら 今回の改装費用。 それから毎月の家賃。正当な金額払うから。」 「いや・・でも。それは・・。」 抗議しようとするのを抑え ダメです。と 首を振った。 「金も払わないで自分の物だって言われて はい。そうですか。なんて言えないんですよ。 当たり前だろ。こういうのはちゃんとしとかないと。 一生一緒に居るって決めたんだから だったらそれこそキチンとしようぜ。」 そう。 それなら納得出来る。 新の不安も自分の不安も取り除ける。 それに。 なんか腹が決まったな。。 「あとさ・・。」 今度は俺が新の両手をぎゅっと握った。

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