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「近いうちに実家に一緒に行ってくんないかな。」 涼はそう言って俺の手を力強く握った。 え・・。それって。 「涼。だからそういうつもりじゃ・・。」 「うん。わかってんよ。そうじゃなくてさ。 ほら。泰雄さんの件あっただろ。 俺もあれからずっと色々考えてて。 逃げてばっかりいる訳にもいかねえよなって。 だけどさ。俺ビビりだから一人じゃ心細いんだよ。」 へなっと眉を下げ そう言って苦笑いを浮かべる。 ああ・・。 まあ。そうだろうね。 俺みたいに誰も気にしない状況ならともかく 涼は堅実な家の出だし。 だからこそ理解されないって思ってずっと 隠しに隠してきたんだから。 でも。 いいのかな・・。 俺はいい。 まともな家族も居ないし 何をしようと自由。 だけど涼はそうはいかない。 カムしても認められないかもしれないし そうなったら涼から家族を奪う事になってしまう。 いくら煩わしいと思っていても 血の繋がった家族は家族。 俺のとは全く関係性が違う。 大事なものには違いない。 それを奪ってしまうのは・・・。 答えられないでいると涼はじっと俺を見つめ 「新。大丈夫だって。わかって貰えるまで 何度も話するつもりでいるから。 ダメでした。じゃあもうお終いってしたら お前ずっと気にするだろ。 それは出来ませんよ。せっかく二人で頑張って 行こうって思ってんのに ケチつけるような事。 もしかしたらずっと理解して貰えないかも しれないけど 諦めずに話していこうと思ってさ。 ただな~。一人は無理! 俺。絶対うまく話せない 自信がある!」 そう言って偉そうに腕を組み うんうん。と頷いた。 もう・・。

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