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「わかった。涼。ありがとう。」
お礼を言ってチュッとキスをすると
涼は恥ずかしそうに二カッと笑った。
「おう。じゃあこの話はいいな。
そんでさぁ・・・。」
「うん。」
まだ何かあるのかな。
どうしたの?と顔を覗き込むと 上目遣いで
じっと俺を見つめる。
なんだろ。
可愛いけど。
「何でも話すんでしょ。どうした?」
んーーーー。と呻き声を上げると
するすると俺の首に腕を巻き付けた。
「・・運動・・しねえの?」
言った傍から頬が真っ赤に染まっている。
ああ・・。そっか。
「いっぱい食ったら運動しようって言ったの
新じゃん・・・。」
声音が甘く響き 意地悪心がむくりと湧き上がった。
「うーん。どうしようかなぁ。腹一杯で。」
首を傾げると 涼は顔をしかめ唇を尖らせる。
「もぉ~。意地悪すんなよぉ・・。」
首にしがみつき 尖らせた唇を近づけた。
「だってしょうがないでしょ。
腹一杯だとそういう気にならないんだもん。」
ついばむ程度にチュッとキスをすると
やだやだと首を振る。
あー。もうダメ。
可愛すぎる。
もっと意地悪したかったけど 降参です。
ぐるんと体を入れ替えて涼をソファーに
押し倒した。
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