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最寄り駅で降りて家へと向かう。
「空港でスーツケース配送して貰って
楽だったな~。」
そう言うと 新はにっこりと笑みを浮かべた。
「そうだね。ところで夕飯どうする?
家に何も無いから食材買って帰るなら・・。」
あー。まあな。
「確かに新が作った飯。食いたいかも。」
外食が続くと やっぱり家の味が恋しい。
でも 改装に向けて痛む食材は全部使い尽くして。
家のキッチンにもほとんど何も無い。
「だけど 疲れてんだろ。それに
そこまで腹も減ってないよな。」
最終日もギリギリまで食べまくって。
空港でラストたこ焼き食って。
「もう。俺。暫くたこ焼きいいや。」って
新は最後は根を上げて ビールをグビグビ飲んでた。
「あれだけ食べればね。」
そう言って苦笑いを浮かべる。
「じゃあ。簡単につまめる物でも買って帰ろうか。」
商店街にあるスーパーに寄って
食材をいくつか買うと またぶらぶらと歩き出す。
・・ああ。そっか。
「店の改装。終わってんだ。」
この休みの間に終わらせて 新が明日
最終チェックしてそれで終わり。
俺も明日もう一日休みにしてるから
来週からの開店準備を手伝おうと思ってて。
頷く新を眺めながら 「楽しみだな~。」と言うと
ニヤリと笑う。
「お風呂も新しくなってるから。ジャグジー付きで
ゆっくり足を伸ばして入れるよ。楽しみだね。」
ドンと肩と肩をぶつけてきた。
まあ。楽しみですけど。。
魂胆見え見えですよね。。
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