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そういうつもりで直したんじゃねえだろ。と ぶつぶつ文句を言いながら歩いていると 店が見えてきた。 おー。 なんか凄い久しぶりみたいな気がする。 たかだか二泊三日なのに。 近づくと まず大きな窓に気がついた。 最初は内装だけだったのが 結局外装までに なっちゃって。 「あー。結構ガッツリオープンにしたんだな。 ドアも木目が綺麗で すげえいい感じ。」 今まではどうしてもバーの趣があって 道路側の窓も小さく 知らない人は入りづらかった。 でもこれならきっと店内も明るいだろうし。 おしゃれなカフェカーテンが掛けられてて 見るからに旨そうな空気感。 「いいじゃん。なあ?」 隣に佇む新を見上げてそう言うと にっこりと笑みを浮かべ ツンツンと上を指差す。 「ここも変えたんだ。」 促されるまま見上げると店名の看板。 ・・あれ? 「新。これ・・・。」 【BAR&RESTAURANT R&A FACTORY】 ・・え? 「・・お前。店名も変えたのか?」 R&A・・。 「R&A。RYO & ARATA。」 綺麗な発音で新はそう言った。 へ。。 リョーアンドアラタ? ポカンと口が開く俺を他所に 「なかなか字体が決まらなくてね。 ああ。でもこれにして良かったかな。」 新は満足そうに腕を組みながら頷く。 いやいやいやいや。 「お前。そこじゃないだろ。また俺に黙って・・。」 ぎーーっと頬を引っ張ると 新は困ったように 眉を下げながら俺の手を掴んで頬からそっと離した。 「・・そうだけど。言ったらサプライズに ならないでしょ。CEO。」 俺の顔を覗き込み くすっと笑うと 掴んだ手を ぎゅっと握って また嬉しそうに看板を見上げる。 まるで。 新しい門出にワクワクするかのように。 その横顔に不安は微塵も見受けられない。 新は暫く佇み 何処かへ想いを馳せると ふっと俺へと視線を戻し 幸せそうにニコッと微笑んだ。

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