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繋ぐ

「やっぱりスーツにした方が良かったかなぁ。」 新はもう何度目かの同じセリフを吐きながら 自分の格好をショーウィンドウで確認した。 爽やかな薄いブルーのオープンシャツ。 細身のジーパンが足の長さを強調してて。 基本無頓着なクセに選んで着る物はセンスがいい。 破壊的にカッコいいから大丈夫ですって。 涼介はこれまた何度目かの返事を頭に浮かべながら 「大丈夫だって。実家行くのにスーツは おかしいだろ。」 そう返すと 新はだって。。とぷっくり頬を 膨らませる。 「ちゃんとご挨拶するのに失礼があったら いけないでしょ。」 「全く知らない間柄じゃねえんだし 気にする事無いって。心配性だなぁ。」 格好より他に気になる事満載だっつーの。 あー。胃が痛い。 決心が鈍る前にと姉ちゃんに連絡して 新と話があるからと みんなが居る日教えて貰って。 遂にこの日が来てしまった。 実家が近づくにつれ 足が鉛のように重い。 うー。 ちゃんと出来んのかな。。 尻込みして 逃げ出しそう。。 ぬっと新は覆い被さるように俺の顔を覗き込んだ。 「涼介さんをお嫁さんに下さい。って 言えばいいかなぁ。」 は。 嫁? 「バ・・バカ! 何言ってんだよ。そんな事言ったら 全員ポカーンですよ。」 何言ってんだ。 それに。 「なんで俺が嫁なんだよ。」

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