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だって。と新は唇を尖らせた。 「こういう時に言うセリフなんて それくらいしか 思いつかないし。それに ねぇ。。」 ニヤニヤと口元を緩める様子に 夜の生活の話を してるんだと思い当たる。 ボッと顔が熱くなった。 「バカッ。そ・・そんなの関係ないだろ。 それにアレだ。普段の生活考えたら 新の方がよっぽど嫁だろ。どっちかって言ったら 母ちゃんヨリだけど。。」 新は返事をせず 何故か ふふっと笑みを浮かべる。 「・・・なんだよ。」 「んー? 涼。朝から顔色真っ白だったから。 昨日も緊張してあんまり眠れなかったでしょ。 珍しくよく寝返り打ってたよ。」 ああ・・。 まあ。確かに。 いつもならコンマ何秒で意識が無くなるのに 昨日は全然眠れなくて。 目を瞑ると嫌な想像ばっか頭に浮かぶんだよな・・。 母ちゃんがワンワン泣き出して。 姉ちゃんが怒鳴り散らして 親父が押し黙って 哀しそうな瞳で俺たちを見る。 そんな絵ばかり浮かんでは頭を振って振り払い ウトウトしては魘されて目が覚めて 新の背中にしがみついて 抱きしめて貰って トントンしてくれて ホッとするの繰り返し。。 ホントビビりなんですよ。 ね。 情けないけど 今まで積み重ねてきた嘘を バラすとなるとそんなに簡単に はい。そうです。とはいかない。 やっぱり新についてきてもらって正解です。 はい。 「しょうがねえだろ。ビビってんだもん。」 素直にそう返すと くしゃくしゃと髪を 掻き混ぜられた。 「うん。でも今は大丈夫。 血の気が戻って可愛いよ。」 「可愛いって言うな。」 えー。どうして?と聞き返す新を無視して 歩みを早める。 もう。 ほんと可愛い可愛いって恥ずかしいっつーの。。

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