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5.泉里SIDE

血液検査が終わり帰宅した日 「え?」 俺は有り得ない言葉を耳にした。 「病気……ですか?」 「嗚呼、そうだ」 どうやら血液検査の時に俺の血液に不純物が混ざっていて詳しく調べたらしい。 それによると俺は原因不明の血液の難病で、今の医学技術では手術さえ出来ない。 生活面に支障は殆ど出ないが、万が一の為にと担当医がつけられた。 これから毎朝体温管理と血液検査と軽い診察を起床時に行い、1ヵ月に1回1週間だけだが定期的に学校を休む事を義務付けられた。 かなり嫌だったが、病気なら仕方ない。 我慢してその決まり事を守る事にした。 因みに病名は最近見付かったばかりの難病としか言われず、きちんとした名前は教えて貰えなかった。 まぁ知った所でどうこうなる訳じゃないから別に良いんだが、やっぱり知っておきたいって思うのは当たり前だよな? だけど氷雨に聞いても知らないごめんって謝られたし、父に聞いたら泣かれたし、担当医には口止めされてるから教えれないって言われた為渋々諦めた。 あ~なんかモヤッとする。 翌朝から始まった検査。 朝から面倒な診察を受けて、これから先これが毎日続くのかと思うと溜め息が零れた。 それと同時にサプリメントや薬の服用と点滴が加わり、病気に負けない丈夫な身体を作る為にと運動も沢山させられる様になった。 勉強面でも優秀な家庭教師が付けられ、俺の生活は一気に多忙な物に変わった。 そのお陰で俺はどんどん変わっていった。 低くて一番前だった身長も周囲の人と同じ位に伸びたし、女の子にしか見えなかった顔も幾らかマシになった様な気がする。 ガリガリで細かった身体は程良く筋肉が付き前迄は病弱にしか見えなかったが、今では血色も良いし健康そのものに見える。 成績も家庭教師と学校での勉強と自学のお陰で悪くはない。 なので今ならαと言われても違和感が少なくなったのではないだろうか。 って、まだまだ氷雨に比べたら劣っているから油断は禁物だな。 だけど1つだけ困っている事がある。 それは月1の定期的な休みだ。 月に1回1週間休む。それは病気になった日から始まった事なのだが、それがΩの発情期を隠す為に休んでいるのでは?と鳳くんに疑われているのだ。 αは優秀で頭が良い為、通常より難しい授業を受ける。 その為2日に1回αだけを集めた補習授業がある。 所謂塾みたいなヤツだ。 其処ではいつも授業で習う基礎ではなく発展や応用ばかりする。 かなり難しいが、常に家庭教師に先を読んで教えられている為どうにか落ちこぼれずに頑張れている。 いつも氷雨が側に居るのだが、鳳くんも何故か近くの席に座る。 相変わらず陰湿で意地悪な態度は変わらないのだが、最近少しおかしい。 嫌味を言ったかと思えば優しく笑いかけてきたり、名字じゃなく名前で呼んできたりする。 突き放されたかと思えば手を差し伸べてくるし、冷たい態度の後は優しく触れてくる。 そして気が付けば常に氷雨と同じ位俺の近くに居る。 鳳くんは俺の事が嫌いなんだよな。 嫌いだから苛めるんだよな。 なら何故時折優しく接するのだろうか。 意味が分からない。 「悪い泉里。暫く一緒に居られない」 「良いよ良いよ。仕方ないでしょ?氷雨が謝る必要なんてないから。俺の事は気にせず頑張って?」 1年に1回だけだが、学校側は中学から大学迄全ての学校から各学校で一番優秀なαを集めた交流会という勉強会をする。 去年は先輩が選ばれたが、今年は氷雨が選ばれた。 交流会は約1週間あって、その間その生徒は学校に来れない。 特別な事の為欠席扱いにはならないし、その間の授業は終了後補習するから問題はないのだが、約1週間も氷雨が側に居ないのは初めてだ。 自分は大丈夫だから頑張ってとは言ったが、本当は寂しくて堪らない。 でも交流会に選ばれるのは大変名誉な事だ。 寂しさを誤魔化して 「良かったね。おめでとう」 笑顔で送り出した。

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