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第7話
「まーでもこれも何かの縁じゃない? どうよ、放課後一緒に遊ばないー?」
突然の佐川くんからのお誘いに、俺は思わずあおと顔を見合わせた。
「ま、でもいいんじゃない?」
「え、あお予定とか…」
「今日は平気」
「そ、か。えっと…じゃあ…」
「おっけー。んじゃ、RINE交換しよー」
流されるまま佐川くんと、あっしくんともRINEの交換をして、そのまま流されるように教室に一緒に戻って、「じゃあ放課後ね!」って手を振って。
何だか…目が回りそうなほどのくるくるした展開に、俺はただ呆然としていた。
「けど意外だったよね。七織と幡中が前に友達だったとか」
「へあ? あっ、あぁ、うん。俺も…忘れてた、けど」
「ちっちゃい頃のことなんてそんなもんじゃん? 高校で会うとか、9年ぶりってことでしょ?」
「うん。でもほんと変わってて…」
「そりゃそうじゃん? 背だって伸びるし、声も変わるし」
「だね」
びっくりして圭典のこと忘れてた。
それに、びっくりして胸の痛みとかすっ飛んでたし。
これはこれで良かったのかもな。
…俺も、圭典と離れないと。
そっと息をつく俺を、あおが見ていることには気づかなかった。
授業が終わった放課後。
いつもは圭典が佐田さんと仲良く帰っていくのを見てから教室を出るんだけど、今日は違った。
「牧瀬くんと日高くん、あっそびっましょー!」
賑やかな人が教室までやって来たから。
「よりめちゃくちゃ恥ずかしいぞ、それ」
「あっくん黙ってくださる?」
昼休みに見かけた他の友達は一緒じゃなくて、ふたりだけみたい。
「賑やかだな、佐川」
「お、お待たせ」
会って間もないのに、さらっと会話できちゃうあおがすごい。
俺ちょっとどもる。
「正直に『煩い』って言っていいぞ」
「あっくん黙ってくださる?」
珍しい組み合わせ…取り合わせ?に、クラスみんなの視線が刺さっているのを感じる。
「ちょ、あの、早く出よう」
少々の居心地の悪さに、俺は佐川くんとあっしくんの背中を押した。
「きゃっ、牧瀬くんったら積極的っ」
「より、気持ち悪い」
「あっくんほんと黙ってくださる?」
仲良しだなぁ。
あおがちらっと後ろを振り返って、それからすぐに「早く行こー」と小走りで俺たちを追い越していく。
「待って日高くん! 俺が一番だし!」
「バカより! 廊下走るな!」
「ちょ、あっしくんも走ってるじゃん! 待ってよみんな!」
置いてかれてる!
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