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第13話
「佐川はどんな感じなの? 私服」
「俺はねー、ハッキリした色が多いかな」
「たまに目がチカチカするんだよな、よりの服」
「蛍光カラーの着られたらすごいチカチカしそう」
「さすがの俺も蛍光カラーは着ないよ!?」
蛍光カラー……虫が寄ってきそうだなぁ。
「前に黄色とかショッキングピンク着てなかったか?」
「そんな時期もあったねー…」
あったんだ。
「でも由音 似合いそう、そういう色」
「えっ、そう? そう思う?」
「うん。ほら、顔立ち派手だし。服も派手でもおかしくない」
「え、ちょっ、何か照れる」
「佐川 意外とちょろい」
「日高くん!?」
由音があおに遊ばれてる。
けど、派手な顔立ちのイケメンだもん。服に着られてるみたいになることはないんだろうな。どんな系統の服も似合いそう。
でも俺は、個人的にはイケメンはシンプルなのが似合うと思ってるから。
服に飾り気なくても顔面に飾り気あるんだし。
「でも俺だって最近は質素…違うな、ちょっと落ち着いたのを選ぶようにしてるんだよ?」
「へぇー。何で?」
「…何か、全身がうるさいって言われたから…」
「「あー、分かる」」
「ふたりひどくない!?」
……ごめん由音。俺も口には出さなかったけど、分かるって思った…。
顔が派手で服も派手だったら…確かに全身がうるさいって言いたくなる……と、思うもん。視覚的にうるさそう。
「じゃあさ、全身がうるさい佐川に似合う服探そうよ」
「あれどうだ? あのマネキンが着てるやつ。黒Tにターコイズグリーンのパンツ。うるさくなさそう」
「ターコイズグリーン綺麗だけど、佐川が履いたらうるさそうじゃない?」
「ねぇ、さっきから二人共うるさいとかうるさそうとか俺に失礼だからね!?」
「白どうかな。あのワンポイントTシャツにジーンズでもいいんじゃない?」
「あー、確かにシンプル」
「…このふたり聞いちゃいねぇ」
あおとあっしくんは今日会ったばっかなのに仲良しだね。
「七織は?」
「え?」
ぼんやりしていると、由音がこっちを向いた。
「どんなのが俺に似合うと思う?」
「え、俺あんまりセンスないからな…。うーん、でも、そうだなぁ…あのちょっと暗めの緑のTシャツとか似合いそう。色落ち着いてるし、何か大人っぽい感じしない?」
「そっかぁ。大人っぽい感じにすればうるさいとか言われないね! 確かに!」
「え、あ、そこまで考えてなかったけど…」
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