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第15話

あおは俺の視線には気づかずに、にこりと笑ってそう言った。決定じゃん。 「七織は? 都合悪い日とかあるか?」 あっしくんに話を振られて、俺はあわてて首を振った。圭典と遊ばなくなったから、優先すべき予定なんてない。…淋しい。 「そしたら今度の土日にしようよ。それなら日高くんも大丈夫でしょ?」 「うん、大丈夫」 「じゃあ決まりだな。どこ行く?」 「えっとねー…」 予定はさくさくと決まっていく。 「七織は行きたいとこねぇの?」 あっしくんが俺を振り向いた。 「えぇと…新しくなった水族館…」 ふと浮かんだのは、圭典と行ってみたかった場所。彼女が出来て全然遊べなくなるなら、色々考える前にさっさと行っておけばよかった。 「あー、あそこな。俺もまだ行ったことねぇや」 「俺もだ。日高くんはー?」 「俺もう行ったよ」 「え、いいなー」 「けど人多くてゆっくり見れなかったからまた行きたいな。水族館は日にち改めて行かない?」 「そうだね。そしたらまた遊べるし! 水族館は次遊ぶ時に行こうね」 由音はそう言って笑顔で俺を見た。 「うん」 これは『うん』以外言えない。それくらいキラキラした笑顔だった。 知り合ったばっかなのに、こんなに嬉しそうにしてくれるんだなぁ…。 そう思ったら、胸の奥がちょっと温かくなった。今日会えてよかった。あっしくんにも、覚えててもらって、再会できてよかった。 いつまでも圭典にしがみついてちゃいけない。 切ないし、苦しい。しんどくて泣きたくなる。だけど友達のラインを越えることは出来ないって分かったんだから、前に進まなくちゃ。 「ねー、スポッチョって土日は8時までに入れば安くなるじゃん? ここどう?」 「俺はいいけど、より起きれんのかよ」 「うっ…行くとなれば頑張れるし!」 由音は朝苦手なんだな…。 「七織と日高くんは? 体動かすの好きか?」 「嫌いじゃないよ。七織は?」 「苦手なのもあるけど…いいよ」 テニスは授業でちょっとやったけど、あんまり得意じゃない。 「2人とも朝強い?」 「俺、土日も7時くらいには起きるし」 「俺もあんまり遅くまでは寝てないなぁ」 「えっ…寝坊が休日の醍醐味なのに…」 由音が本気でびっくりしてる。俺は思わず笑ってしまった。 「誰かさんと違ってしっかりしてるな、2人は」 「あっくんはどこ目線なの。保護者なの」

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