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第28話

わたしもそこに変えようかな~、って言う菊野さんとちょっと笑い合う。今は圭典を見たくなくて、「あ、そろそろチャイム鳴るね。また後で」って、俺はそそくさと席に戻った。 次の休み時間も圭典と何かあったら嫌だな、って思ってたんだけど、次の休み時間には由音とあっしくんがやって来て、また4人でお昼を食べようって誘われた。 「もちろんいいよ」 「やった。じゃあ今日は、俺とおかず交換しようね!」 由音にそう言われ、俺は思わず笑う。 「いいよ。由音 今日は何食べるの?」 「うーん…唐揚げかな。七織は?」 「日替わりにしようかな。今日の日替わり何だろう。楽しみだね」 「ねー!」 由音の華やかな明るい笑顔って何だか安心する。何があっても大丈夫、って思えるような、そんな力強さみたいなのがある。 由音が俺の手を取ってニコニコ笑うから、俺もつられて顔が緩む。 仲良しだな、ってあっしくんが笑って、俺たちも手ぇつなぐ? ってあおに聞かれてまた笑ってた。 「日高くん、そういう冗談言うタイプだったんだな」 「うーん。まぁ、たまにはね」 「じゃあ繋いどくか」 「幡中はノリがいいね」 「ノリが悪いとよりとつるんでられねーから」 「確かに~」 え、日高くん、そこ納得するとこなの? って由音が言ってて、俺は笑ってしまった。 「日高くんって、結構指しっかりしてるよな。何か格闘技とかやってる?」 「へぇ、すごいね幡中。そういうの分かるんだ。俺一応、合気道黒帯」 「えっ、すげぇな」 「でもあっくんもキックボクシングやってるじゃん」 突然明らかになる、みんなの格闘技(?)事情。もちろん俺は何にもやってません。 「キックボクシングかぁ。カッコいいね。ねぇ、腹筋触らせてよ」 あおが両手をわきわきさせて楽しそうにしてる。俺も触ってみたいな…。 「いいけどそんな大した腹筋じゃねぇよ?」 「日高くん、これ嘘だよ。俺体育の時にちゃんと見てるもん。バキバキだよ」 「期待値跳ね上がる。腹筋見せて」 あっしくんが苦笑いでワイシャツとインナーをちょっと捲った。女子が密やかに注目してるのが分かる。 「うわ、すご! 締まってんね~」 由音の言う通り、あっしくんのお腹にはきれいに筋肉がついていた。こいつはすげぇ。 触るとすんごい締まってるのが分かる。こいつはすげぇ。 何となく由音のお腹も触ると、こちらも結構固かった。 「ちょっと七織、くすぐったいから服の上から触るのやめて~」

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