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第43話
学食に着くと、何となくいつもより混んでる感じがした。
「今日ちょっと混んでるね」
あおも同じことを思ったみたい。
「俺たち食券買って並んどくから、席探しといてもらってもいいか?」
由音の腕を掴んで言ったあっしくんに頷くと、お金を渡した俺とあおは空いているテーブルを探すことに。
「テーブルじゃなくても、窓際のカウンターでもいいよね」
「うん。座って食べれればどこでも」
そんな話をしながらキョロキョロと歩き回る。
「あっ、ねぇ中島」
あおがクラスメートを発見して、声をかけた。
「食べてるとこごめん。俺たち4人なんだけど、そっちもう1つ詰めてもらうのって大丈夫?」
「あぁ。別にいいよ」
友達と食事中の中島くんはあっさり頷いて席を譲ってくれた。
「中島くん、ありがとう」
「いいって。今日混んでるよな」
「うん。最悪中庭かも、って思ってた」
「今日は外で食べるにはちょっと暑いよな。だから混んでるのかもだけど」
中島くんはそう言ってから、思い出したように続けた。
「そう言えば、滝島と佐田さんも今日はこっちみたいだし。あの2人目立つよなー」
「そうなんだね」
ぐるりと視界をめぐらせれば、きっと2人を見つけてしまう。俺の目はまだ圭典を探してしまうから。でも…それは、嫌だな。
「何かさぁ、滝島が佐田さんと付き合い始めてから、牧瀬や日高とつるむの少なくなったよな」
「え。あ、うん」
「正直ちょっとそういうのって淋しくならん? 俺はなる」
「…うん。ちょっとだけ、淋しいよね」
「俺は平気だけどね」
「だって日高は滝島と仲良いんか微妙なとこあったじゃん。そりゃ平気だろ」
あおの返答に、中島くんはケラケラ笑った。
周りから見たら、あおと圭典ってそんな感じだったの?
「牧瀬がいるから一緒にいる、的な?」
「まぁ、間違ってはないかな」
あおはそう言って、カウンターの方を振り返る。俺もつられてそっちに目をやれば、由音とあっしくんがそれぞれ2人分のごはんを受け取ってカウンターを離れたところだった。
「あっ、俺受け取ってくる」
あおにそう声をかけて、2人の方へ。
「ごめんね、2人とも。ありがとう」
由音から自分の分を受け取ってあおの所に戻ると、あおも「ありがとう」と言ってあっしくんから自分のごはんを受け取った。
椅子に座るとあっしくんがチキン南蛮を分けてくれたので、俺もパスタをフォークで巻き巻きしてあっしくんのお皿へ。
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