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第2話-2
「大人というのはいつなるんだ」
「そうですね……人間の子であれば十五の歳を区切りとしていますが」
「そうか! 桔梗はもう大人なのだな?」
確かに桔梗は十六になった。けれど拾い子の桔梗は生まれ年も月も分からないせいで、たぶんそうだろうということでしかない。
「それなら、これでどうだ」
板の間を降りた白耀がぱっとその場に足を下ろすと、肩程だった髪が背の中心くらいまで伸び、背の丈も桔梗より頭半分ほど高くなる。幼さの残っていた頬のラインがすっきりとして、端正な顔が益々美しく輝いた。
最近ではその神通力で姿を変えて見せるのは造作もないようだ。数年先の自らの姿に化身した白耀が桔梗の身体を背中から抱いた。
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