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第3話-2
白耀によく似た顔立ちの御稲荷さまだが、存在の強さがまるで違う。今日も桔梗はうつむいて御稲荷さまの立派な銀色の尻尾を目の端に見ることしかできない。
「白耀が桔梗を娶るのだと言ってきかぬのだが、」
「……はい」
いきなり切り出され、桔梗の緊張は極限まで高まる。いつまでも白耀の幼い思慕をはね退けられないことを叱られるのだろう。桔梗は肩を竦めて一層頭を垂れた。
「白耀のどこを不満に思っている?」
「…………え?」
「あれだけ一途に桔梗を思っているのだぞ。親馬鹿だと言われるだろうが、姿も悪くはないし、心根も素直だ。それになんと言ってもこれほど気持ちを変えずにいる健気さもある。とはいえ、桔梗にも思うところはあるのだろう。正直に話せ」
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