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第3話-3
叱られているといえば叱られている。けれどそれはなにゆえ白耀の想いを受け入れてやらないのかという、予想とは真逆のお叱りだった。
驚きのあまり桔梗は口を開けた間の抜けた顔で御稲荷さまを見上げる。
「もうすぐ十六になるとはいえ、子供といえば子供。だからこそしっかり者の桔梗が傍で支えてくれれば心強いのだがな」
「不満など……ございません。ですが、私など……」
白耀の嫁さまなど恐れ多いことだ。今はまだ幼さの残る白耀ではあるが、いずれは御稲荷さまのあと、この社に祀られ村の豊穣を見守る役割を担うのだ。
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