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第3話-4

「我らも愛するものがいてこそ、力が強くなる。この村を守りたいという強い気持ちは愛するものがいなければ始まらない。白耀の気持ちを受け取ってはくれないか」  御稲荷さまにそう請われ、桔梗はぷるぷると頭を振った。 「……わたしは、娘ではございません……」 「そのようなことは問題ではない。お前はそんなことを気にしていたのか?」 「はい……」  幼い心に求められるまま受け入れれば理を外れることになる。そんなことをしては雪の中、命を絶やしそうなところを救って下さった御稲荷さまに申し訳が立たない、そう桔梗は考えてきたのだった。 「白耀を頼んだぞ」  御稲荷さまから勿体ないお言葉と優しいまなざしを貰い、桔梗は伏してそれを受け止めた。  鳥のさえずりが春を伝えに来ていた。

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