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4/17 御堂くんは5月から連載

(前回のあらすじ:数ヶ月のお休みを経て、新しく執筆を始めることに決めた) -----  土曜日、午後。  僕は御堂くんの家に遊びにきていた。  いつも、ベッドをソファ代わりにして、ふたり並んで座る。  毎回そうなのに、毎回緊張してしまって、きょうも変わらずドキドキしているのだけど……。 「み、御堂くん。近い……」 「どうして? 自分の部屋で恋人に近寄ったらダメなのか?」 「うう、ダメじゃないんだけど……」  ガラス玉のような瞳の奥に吸い込まれる。  端正な顔が近づいてくる。  キスする―― 「……あれ、御堂くん、目の下のくますごくない?」  色気もなにもなく、つい言ってしまった。  御堂くんは目を丸くしてぱちぱちとまばたきしたあと、はーっとため息をついた。 「君は本当に、ムードというものを……」 「ごめん、つい。でも気になっちゃって。また小説書いてて寝てないんじゃないの?」 「うっ……。実は、5月1日(土)から新しい話を連載しようと思って、執筆中なんだ」 「えっ、そうなの? もうすぐだね!」  御堂くんはうなだれ、力なく首をふるふると横に振る。 「……あと2週間だというのに、まだ終わりが見えない。端的に言って、まずい」 「またまた。そんなこと言いつつ御堂くんはいつもちゃんと連載でき――」 「見えないんだっ、終わりがっ」  そう叫ぶやいなや、御堂くんは僕の両肩をがしっと掴んで、キスしてきた。 「んっ!? んぅ」 「……5月1日だ」 「はぁっ、ん、わかった……2週間後の土曜日、んん……っ」  連載開始日をぶつぶつとつぶやきながら熱っぽくキスしてくる恋人に、僕は夢中なのである。

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