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第2話
「兄さん、今日のパンはどんなの?」
「今日はライの木の実のパンだよ。
少しシャトーを練り込んでみたんだ。
どうかな?」
「美味しいよ!!少し甘みがあって、歯応えもあって!!やっぱり兄さんはパン作りの天才だっ!!」
「えへへ、そうかな…きっとルイスの事考えながら作ったから、美味しく出来たのかも」
途端、ルイスの膝がガクンと崩れて床に倒れ込む。
「だ、大丈夫か!?どうしたルイス!?」
「あ、あは…だ、大丈夫…ちょっと兄さんが可愛すぎて興奮しただけ」
今日も推しが尊すぎて辛い…、など訳の分からない事を言いながらルイスが何とか立ち上がる。
昔から弟のルイスは、こういう事がよくあり、恐らく虚弱体質のようだ。
僕はそれが心配でルイスの為に栄養満点のパンを作るのだが、
毎日のように目眩を起こしているので、なかなか良くなっていないようだ。
「ごめんね、兄さん。本当に何でもないんだよ。でも兄さんが、心配してくれるのが可愛…嬉しいから、いつも甘えてしまうんだ。こんな僕嫌いになっちゃう?」
ウルウルと上目遣いをしてくるルイスは今年で15歳だ。
巻き毛の金髪、スプーンが置けそうな長い睫毛、ベリーのような唇と、何処をとっても完璧な美少年だが、
最近スクスク育って身長は殆ど僕と変わらないくらいになった。
もうそろそろ兄離れしてしまうのかな…と思っていたが、予想に反して最近ますます甘えん坊になっている。
どちらにしても、僕の可愛い弟だ。
「そんなわけ無いよ。僕がお前を嫌いになるなんてあり得ない。大好きだよ、ルイス」
「ガハッ!!!」
ルイスが今度は鼻から血を出してしまった。
こういう事もルイスはよくある。僕は本当にルイスが心配なのだ。
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