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ActⅠ Scene 1 : 探偵カルヴィン・ゲリー。⑥

 こうやって身だしなみを整えたカルヴィンは、ようやく朝食に取り掛かる。  蒸したじゃが芋を頬張った。  美味いかどうかはさておき、蒸したじゃが芋をいくらかかじって腹を満たしていると、ドアに取り付けられた呼び鈴が鳴った。  壁に取り付けてある柱時計に目を配れば、時刻はまだ午前六時を少し過ぎたあたりだ。クライアントにしては早すぎる。  今時分、いったい誰だろうか。  カルヴィンは自分の身形も気にせずに、じゃが芋を手にしたままドアを開けた。  ――ああ、最悪だ。  カルヴィンは目の前に立っている人物を見るなり、眉間に深い皺を刻ませた。  玄関先に立っていたのはひとりの男性だ。  彼の年齢はカルヴィンより三歳年上の二十七。はち切れんばかりのたくましい肉体美を見せつけるかのように、今流行りのタータンチェックのラウンジスーツを着こなしている。  マート・トマス。  カルヴィンはあからさまに嫌な顔をすると小さく呻いた。  《Scene 1 : 探偵カルヴィン・ゲリー。/完》

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