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ActⅡ Scene 4 : 試される良心。③
あの愚かな一般人種が本人の同意の元で、副作用まで考慮した上でカルヴィンに服用させたとは到底思えない。
あの一般人種こそ下劣で非道だ。
あれはあまりにも無知であまりにも愚かだ。
カルヴィンもあの傲慢で自分の肉体美を見せびらかすような下劣な男をパートナーにするのは間違っている。
それとも、カルヴィンはあの一般人種を好いているのだろうか。
もし、無理矢理ではなく、彼もまた想っているのならば――いや、そうではない。先ほど、たしかに彼は迫る彼を拒んでいた。
けれど自分はあの一般人種を責めることはできない。なにせクリフォードもまた、あの愚か者と同じことをしようとしているのだから……。
カルヴィンの衣服の何もかもを拭い去り、一糸も纏わない躰を味わいたい。そう思っている。
しかし彼は媚薬を飲まされ、欲望に忠実になっているだけだ。今、クリフォードが彼を抱くのは得策ではない。あの愚か者のように成り下がりたくはない。
それに、このティアボルト伯爵の邸宅には事件の真犯人であるバラン・ド・ゴドフリーがいる。彼の次の標的は間違いない、この青年――カルヴィン・ゲリーだ。
バランが人目がある団体の中で彼の柔肌に牙を突き立てようとしていたのが何よりの証し。
甘く馨しい血液の香りはたしかにヴァンパイアを惑わす力がある。果たして彼の一族の血は特異種を惹きつける力があるのだろうか。皆無だが、少なくともバランは執拗にカルヴィンを目で追っていた。
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