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ActⅡ Scene 5 : reunion ③

 そしてこのジュストコールは誰のものなのか。  マートに言い寄られていたところまではなんとなく覚えがある。けれども記憶しているのは彼の誘いを拒んだところまでで、それ以降が抜け落ちている。  ひとつだけはっきりしているのは、この黒のジュストコールはマートのものではないとうことだ。  なにせこのジュストコールは、マートにしてはあまりにも気品がありすぎる。人々の視線を常に浴びることばかりを考えている彼にとっては地味以外の何ものでもないからだ。  会場の中でカルヴィンが唯一、面識があるのはゴドフリー公爵だが、彼が着ていたのはダークグリーンだった。 (だったら、これはいったい誰のもの――?)  見下ろしても持ち主を知る手がかりのようなものは何ひとつない。ブルーのドレスに身を包んでいる骨ばかりが目立つ貧相な躰があるばかりだ。  そこでカルヴィンははっとした。  なんということだろう!  ドレスは肩からずれ落ち、はだけていて上半身があらわになっている。床を見れば、胸の詰め物とクリノリンが転がっている。  まさかとは思うが、マートから受け取ったワインで酔いが回り、意識を失った後、彼に家まで送られ、抱かれたのだろうか。  マートと口づけを交わしたどころか、それ以上の行為に及んだのかと思えば、ただでさえ二日酔いで胸焼けしているのに、酸っぱい胃液が食道に向かって押し上げてくるのがわかる。  しかし――。  どうもその兆候はない。

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