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ActⅡ Scene 5 : reunion ④

 もし、万が一にでもマートに最後まで強要させられたなら、少なくとも彼を受け入れる箇所に不調が出ると思う。  カルヴィンも年頃の男だ。相手がいないだけで、けっして色事に興味がないというわけではない。当然、同性に抱かれる時にはどの部位を使うのかくらいは知っている。  受け入れる部位に痛みはないし、寝具の乱れもいない。それにドレスが汚れている様子もない。  如いて言うなら、汚水用の洗面器と水差しの位置が若干いつもの固定してある場所から離れている程度だが、それとはあまり関係がなさそうだ。  マートと自分との間には何もなかったのかもしれない。  もしかすると、自分は本当にティアボルト伯爵の邸宅から徒歩で帰宅したのかもしれない。それで胸の詰め物とクリノリンを脱ぎ捨て、半ば意識を保てないまま水差しに水を入れて飲み、ベッドに入ったという可能性がある。  だったら、このジュストコールは誰のもので、どうやって手に入れたのだろう?  それに躰の奥に隠るこの熱は何だろう。  果たしてアルコールを摂取しただけでこのような異変が躰に起きるものなのだろうか。  こんな時に思い出すのは、昨夜カルヴィンと一緒に踊った、今社交界で絶大な人気を誇っているゴドフリー公爵でも況してやマートでもない。連続殺人犯として疑っているクリフォード・ウォルターだ。  あの引き結ばれた薄い唇にもう一度キスしたい。  彼の引き締まったヒップもとてもセクシーだった。

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