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ActⅠ Scene 8 : Ballan Do Godfree ⑦
それというのも、クリフォードには少なからず協力者が必要だったからだ。けれどもその協力者には並外れた理解力と行動力。分析力に優れた知能がなければならない。その適合者は、他でもないティム・コナ―だ。彼はクリフォードの理想以上の理解力と知性を持っていた。
「しかしわからない。なぜバランが人の血を吸ってもヴァンパイアにならないんだ? 淫魔と何か関係があるのかい?」
たしかに、オカルトの世界ではヴァンパイアは人間の血を吸えば同族にすることができると言われている。
けれども事実は少々異なる。
「ぼくたちが一般人種 を同族にするには儀式めいたことをしなければならない」
「――と、いうと?」
「同族にするためには相手から血液をいただく時に、こちら側も相手側に血液を送らねば成立しないんだ。いわゆる血液の交換というやつだ」
「なるほど。それで儀式ね」
クリフォードの説明にいたく納得したらしい。ティムは深く頷いた。
「バランは恐ろしい悪魔だ。本来なら血液をいただく時に理性がはたらく。相手から血液すべてを抜き取ることなんて不可能に近い。それを奴は――」
そこまで言うと、ティムは息を飲んだ。どうやら彼はクリフォードが言わんとしていることを察したらしい。
「そうか、だからなのか。バランが食事をした標的が白骨化してしまうのは――」
彼は頷いてみでた。
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