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ActⅡ Scene 9 : have an interest ①
「どうした? 外が気になるのか?」
クリフォードとワインを飲み、他愛のない話に花を咲かせていた彼はふいにそう口にした。
彼の名はアルフレッド・モンタギュー。肩まで伸びた真っ白髪に赤い目をしている。アルビノだ。
華奢な躰と優男の見た目に反し、強力な肉体と恐るべき腕力を持ったフランケンシュタインの一族。――つまり彼もまた特異種 である。
実はクリフォードが経営している賭博クラブ"The Crazy"は、そういった特異種の集まりでもあった。彼らは日々の鬱憤や、クリフォードと同じ同業者であるヴァンパイアハンターが情報収集なんかでここを利用する。
例えば、バーカウンターにいる二人組。口髭を生やした中年の一般人種 と会話しているしっかりとした肩幅の彼はウェアウルフだし、壁際のビリヤードを楽しんでいる紳士もヴァンパイアだ。
「いくら特異種でも他人に興味を持つのはいいことだ。ぼくたちは一般人種とは違う暮らしをしているが、だからこそ彼らとの付き合いは一般人種と同じ世界を生きていることを思い起こさせてくれるとは思わないか?」
どうやら彼はクリフォードが時折視線を外し、窓際に意識が向いていたことに勘づいていたらしい。
沈黙を守っているクリフォードに向かって彼は涼やかな笑みを浮かべながらふたたび口を開いた。
「――いや」
図星だった。まさか他人に気取られるまで窓を意識していたとは本人さえも自覚していなかったから、クリフォードの内心は焦ってしまう。
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