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ActⅡ Scene 9 : have an interest ②
首を横に振り、頑なに意地を張り続けた。
「彼、このままでは凍死してしまうぞ?」
アルフレッドが口にした途端だった。窓辺にいた彼の躰が傾いたのが見えた。
クリフォードはワイングラスをテーブルに置くと挨拶もそこそこに席を外すと急ぎ玄関ホールのドアを開けた。
ドアを開けると黒雲が空を覆い、地面を叩きつける光景が広がっている。おかげで外の空気はすっかり冷え切っていて寒い。
この雨は時期に雪に変わるだろうとクリフォードは思った。
ドアを締め、すぐ隣にある窓の下へと視線を向ければ案の定、ぐったりと力なく項垂れている人影を見た。顔色に精気はなく、外灯に照らされた照明でいっそう青白く見える。対して頬には赤みがあるが、これはけっして良い兆候ではない。その証拠にクリフォードが惹かれて止まない常に真っ直ぐな視線を向ける翡翠の目は半分閉じていて、魅惑的な小振りな唇から呼吸する息は浅く、荒い。とても苦しそうだった。
手を差し伸べ、彼の額に触れてみれば――。
「ひどい熱だ。君はこんな状態でここにいたのか……」
誰に言うでもなくぼそりと告げた声は大地を打ち込む激しい雨音に掻き消される。
ただでさえこんな大雨の中だ。健康な一般人種でも体調を崩すだろう。
この状態ならおそらく今朝から不調だったはずだ。これはあまりにも無謀すぎる。
そもそも自分の健康状態すら顧みないやり方は得策ではない。なにせ彼は今、情も何もない恐ろしい殺人鬼を相手にしようとしている。
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