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ActⅡ Scene 9 : have an interest ⑥
やがて華奢な躰がベッドに深く沈み込み、ぐったりと横たわる。
それなのに、一度達したはずの躰はまだ熱を持っていた。
下肢の間にある欲望が身をもたげている。
「カルヴィン?」
クリフォードが呼んでも返事がない。
どうやら意識はないらしい。
それでもカルヴィンは艶めかしい声を上げながら身動ぎ、泣いている。
彼は自身ではどうにもならない熱をどう対処していいのかわからないのだろう。しゃくりを上げて泣きじゃくっている。
本来ならば、楽しいはずの行為なのに、苦しそうなカルヴィンの姿を見ているとクリフォードの胸が張り裂けそうに痛んだ。
これを終わらせる方法はあるにはある。ただ媚薬に侵された彼の血液を抜き取ればいいだけのことだ。
昨夜は彼の食生活から実行できずにいたが、今は自分の屋敷の中にいる。栄養もうんと摂らせてやることが可能だ。
――何よりカルヴィンがバランに狙われているならば、奴から守ってやることもできる。
それというのも、ヴァンパイアの力は互いに反発し合う。
彼の体内にクリフォードの魔力を送り込んでやれば、ほんの少しの間だけでもカルヴィンの躰に結界を張ることができる。
しかし、である。
クリフォードにはリスクがあった。
問題は自分もあの淫魔のヴァンパイアのようにならないかということだった。
一般人種の新鮮な血液を飲み、味をしめた自分もバランのように自我を忘れ、獰猛な化け物と化してしまわないか。クリフォードはその事態を最も恐れていた。
それでも――。
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