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Act Ⅲ Scene 4 : ambush ⑦
カルヴィンは息を飲んだ。
「なんのことだ」
クリフォードの言葉に、今度はゴドフリー公爵が呻る番だった。
「しらばっくれるな! あの吸血痕はお前の仕業だろうがっ!」
礼拝堂内に声が響く。彼はよほど腹を立てているのか、カルヴィンと対面した時にはなかった狂気を剥き出しにして怒っていた。
「たかが下級の特異種 ごときがわたしに刃向かったこと、後悔させてやろう」
指を鳴らし、合図の後に現れたのは漆黒の翼に老人のような肉体をもった、まさに悪魔のようなものだった。
カルヴィンはけっして悪魔やサタンなどといったその手の類を信じているわけではなかった。しかし、目の当たりにしてはもう信じるしかない。生まれてはじめて見る光景に息を飲む。
そしてゴドフリー公爵について数々の疑問が浮かび上がってきた。
ゴドフリー公爵は、自らを政府に雇われたハンターだと話した。しかし今はどういうことだろう。悪魔を呼び出し、狂気を剥き出しにしている。この光景は明らかにゴドフリー公爵の言い分が矛盾しているように思える。
ゴドフリー公爵の姿を見る限りではティムの言い分の方がよほど正しいように思えるのだ。
カルヴィンが推理をしている中、ゴドフリー公爵が呼び出した悪魔たちが動く。人の腕よりもずっと細い骨ばかりの肘を曲げると、そこから鋭い刃物と化した骨が伸びた。クリフォードはひとつ舌打ちすると壁を使って宙を舞い、向かい来る悪魔数体に蹴りをお見舞いする。同時にブーツの踵に仕込んでいたのだろうナイフが飛び出し、悪魔は霧散する。
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