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Act Ⅲ Scene 4 : ambush ⑰

 世間からの冷たい目はどれほど彼を打ちのめしてきただろう。  罰せられるべきはゴドフリーの方なのに、もしかするとクリフォードはひたすら沈黙を守り、一人孤独に政府の監視下で悪魔と戦っていたかもしれないのに……。  そのクリフォードを、自分も世間と同じように責め、何の証拠もないのに殺人鬼だと疑った。  自分の判断はあまりにも軽率だったと今なら身に染みてよくわかる。 「ごめ、なさ……」  口からしゃくりと一緒に飛び出す謝罪の声は小さい。  クリフォードは深手を負っていて今は泣いている時ではない。そう思うのに、カルヴィンは助けを呼びに行くことすらできず、ただひたすらにすすり泣き、謝り続ける。  すると震える肩に骨張った手が回った。  カルヴィンの後頭部を包むようにして伸ばされた腕によってたくましい胸板へと引き寄せられた。 「君が謝る理由なんてない……」  声は掠れているが、それはとても優しい仕草だった。  クリフォードは深手を負っている。他人を思いやる暇なんて今の彼にはない。はずなのに――それなのにクリフォードは優しかった。しゃくりを上げてすすり泣くカルヴィンを宥めてくれる。 「クリフォード……クリフォード……」  彼を死なせたくない。どうやっても助けなければ。そういう思いがカルヴィンの中で強くなっていく。 「クリフォード、よかった無事か……」  クリフォードに慰められるカルヴィンは、助けがずっと近くに来ていることに気づかなかった。

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