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Act Ⅲ Scene 8 : 焦がれる熱。 ②

 みぞおちに溜まった熱を口づけの合間にほうっと放てば、思っていたよりもずっと甘ったるい声が出た。  口づけの合間から飛び出す甘く艶やかな声は本当に自分のものだろうか。今まで聞いたこともない甘ったるい声がカルヴィン自身を驚かせるものの、なにせ今はこんなにセクシーな男性と一緒にいるのだ。当然といえば当然なのかも知れない。そう思える自分もいる。 (もっとクリフォードのことを知りたい)  クリフォードとの甘い情事も、  社会に飛び交う噂話なんかではなく、内面も何もかもを――。  自ら放つ甘い声がさらに拍車をかけ、欲望を募らせる。カルヴィンは引き締まった背中に両腕を回し、クリフォードの名を熱っぽく呼んでこの先を強請った。  クリフォードはカルヴィンの気持ちを理解したのか、すぐに応えてくれた。剣だこができている骨張った指が肌をなぞりながらバスローブの合わせ目を開いた。恥ずかしいのとくすぐったい気持ちが重なって首を引っ込めてしまう。  ぎゅっと目を閉ざしてしまうのは仕方のないことだ。カルヴィンが小さな声を上げると、両瞼に弾力のある何かが触れた。それが何なのかは、両瞼から離れたすぐ後に聞こえたリップ音で容易に理解できる。  クリフォードの唇だ。  両瞼に受けたキスを合図に目を開けると、深い紫の目と視線が重なった。そうかと思えば、彼の指が胸にある両の蕾に触れた。

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