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Act Ⅲ Scene 8 : 焦がれる熱。 ④

 けれどもこの行為だけでは物足りない。もっと深くクリフォードを感じたい。カルヴィンはさらに貪欲になっていた。  今まで、同性から何度も誘わた経験があるカルヴィンにとって、この先に何が待ち受けているのかは知っている。だから同性との情交は異性との行為よりもずっと難しいことも知っている。今の現状から考えるにあたって自分が受け入れる側であることも理解できる。  けれども果たして自分はクリフォードに抱かれるだけで心が満たされるのだろうか。  一度クリフォードへの慕情を受け入れてしまえば、想いは膨れ上がっていくばかりだ。  どうすればこの気持ちが満たされるのかはわからない。とにかく、今の現状だけではけっして納得できるはずもないのだ。  相変わらず蕾ばかりを弄るじれったい動きがさらにカルヴィンを追い込む。  華奢な腰が揺れる。ベッドの上で浮き沈みを繰り返すその度に、ベッドのスプリングが軋みを上げて生々しいこの現状を知らせる。  それでも、クリフォードに慕情を抱くカルヴィンにとっては、軋む音すら心地好い。煽られるばかりだ。  クリフォードの後頭部に回した手が、まだしっとりと濡れている漆黒の髪を梳く。それを合図に、薄い唇がカルヴィンの緩やかなS字になっている鎖骨を食む。  カルヴィンは躰を弓なりに反らし、先を強請る。両足をたくましい腰に巻きつけクリフォードに縋れば、彼の骨張った手がカルヴィンの欲望に触れた。  カルヴィンの口からはいっそう大きな嬌声が上がる。

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