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Act Ⅲ Scene 10 : 同じ気持ち? ③
その目はとても優しい。慈しみが見える。
――いや、この目はもっと深いもの。
愛情だ。
クリフォードもまた、カルヴィン同様に愛情を感じている。
旋毛に口づけを落とす行為も、涙を拭う行為だってけっして下心からだけではない。
何より、彼の躰は熱を帯びている。こうして互いの下肢が密接している今だって、彼の欲望は硬く反り上がって強調しているのに、けっして抱こうとはしない。カルヴィンの気持ちを最優先に考えてくれている。
「お願い、もう一度抱いて。そうしたら今度こそよく眠れる気がするんだ」
クリフォードと両想いだと知ったカルヴィンは嬉しさのあまり我慢ができなくなっていた。躰の中心にくすぶっている炎は肥大している。
クリフォードの頬を滑り、たくましい胸板を撫でる。
自分にはない弾力のある肉体が魅力的だ。
弧を描くカルヴィンの唇からは甘いため息が漏れる。
ふたりの下肢で触れ合うのは互いに昂ぶっている彼ら自身だ。
カルヴィンはクリフォードに対する思いが特別なものだと気づいたが、おそらく、クリフォードはまだ自身の感情に気づいていない。ならば思いきり誘惑して自分への愛情に気づかせてやろうか。
――カルヴィンは賭もゲームも嫌いだった。けれど今の自分はいったいどうしてしまったのだろう。誰よりも経験豊富だろうハンサムな男性を堕とそうと考えているだなんて。
今まで考えもしなかったことを実行しようとしている。内心驚きはするものの、体内でうねる熱に抗うことなんて到底不可能だ。
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