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Act Ⅲ Scene 10 : 同じ気持ち? ⑤

 もうずっと甘い声を放ち続ける開きっぱなしの口内に人差し指と中指を差し出した。剣だこがある骨張った長い指がカルヴィンの舌を撫でる。そうかと思えば、もう片方の指は胸の飾りを執拗に触れる。クリフォードは全身を使って余すところなくカルヴィンの躰を愛撫していく……。  そしてカルヴィンも美しい男性を誘惑するために腰をくねらせ、乱れる。  初めて抱かれた時よりも二度目はさらにずっと甘美でじれったく感じる。  焦らされているように思うのはこの行為の先に何が待っているのかを知っているからだろうか。  それだけではない。クリフォードも楽しんでいるようだ。彼の薄い唇は背中へと回り、熱を持つ下肢に向かってゆっくり這う。  口内をなぞる指のおかげでカルヴィンは唾液を飲み込むことさえままならない。指が動くそのたびに生々しい水音が耳を突く。それに円を描いたり摘まれたりと執拗に触れられた飾りは痛いほど尖り、赤く強調していた。さらには背後から放たれる生々しいリップ音がカルヴィンを悩ませる。身を焦がすほどの熱が中心に集まっている。カルヴィンの太腿の間ではこれまでに見たこともないほど大きく反り上がっている。  これでは貫かれるよりも先に上り詰めてしまいそうだ。カルヴィンの願望がようやく叶ったのは、あまりのじれったさにすすり泣きをはじめた頃だった。カルヴィンの唾液でしっとりと濡れた骨張った指が内壁を開かせる。それだけでも達してしまいそうなほど、カルヴィンは限界だった。しかし自分が欲しいのはではない。

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