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Act Ⅲ Scene 10 : 同じ気持ち? ⑦
カルヴィンは、クリフォードを咥えているこの様がまるで自分の心そのものだと思った。恋した相手に求められたカルヴィンが達する直前、咥え込むその中で彼が息づくのを感じた。クリフォードの熱い迸りが勢いよく注がれる。
カルヴィンもまたクリフォードの後を追うようにして躰をより大きくしならせ、果てた。
ふたりは息を切らし、ベッドに沈み込む。
それでもクリフォードはカルヴィンを腕に抱いたまま離しはしない。自分と同じように汗で湿った彼の肌が心地好い。
乱れる呼吸が少しずつ治まり、暖炉から頼りなく薪を燃やす炎の乾いた音が聞こえる頃――。
二度目は初めてクリフォードを受け入れてから差ほど時間が経っていないこともあってか、カルヴィンは眠気に襲われていた。
「ゴドフリーが日中でも動けるのはなぜ?」
「なんだって?」
それは無意識だった。強烈な睡魔に襲われているカルヴィンの問いはするりと口をついて出たものだ。瞼は殆ど下りていて、思考が働いているはずもない。
だからカルヴィンの口を突いて出た言葉でクリフォードが青ざめていたのも何もわからなかった。
《Act Ⅲ Scene 10 : 同じ気持ち? /完》
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