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Act Ⅳ Scene 1 : 最後の決着をこの場所で。①

 バランが社交界を開く日が来た。  あれからクリフォードと会えないまま日々を過ごしている。けれども今夜はきっと彼は姿を現すだろう。なにせ主催者はバラン・ド。ゴドフリーなのだ。彼をどうにかしたいクリフォードにとって、この機会を逃す手はない。きっとクリフォードに会える。けれども自分は果たして生きて帰れるだろうか。  カルヴィンの心の中は乱れに乱れている。クリフォードに会えるという期待。ゴドフリーに殺されるかもしれないという不安。それらがない交ぜになってカルヴィンを襲う。心臓は大きく鼓動し、今にも呼吸困難に陥りそうだ。  そんなカルヴィンだが、今夜はティムがエスコートをしてくれる手筈になっている。  とはいえ、彼は中に入らない。  それというのも屋敷内にはクリフォードがいるはずだ。だから下手に目立ってしまう可能性があるのだ。  ティムが言うには、カルヴィンがクリフォードを想うのと同じくらいの愛の深さで彼もカルヴィンを想っているらしい。そうは言ってくれたものの、実際はどうかわからないところだとカルヴィンは思っている。それでも、彼はシャーリーンに似た可愛らしいドールを贈って寄越してくれた。少なくとも守りたいという対象にあるということだ。  クリフォードはバランに命を狙われているカルヴィンが屋敷内に潜入するのを快く思わないだろう。  カルヴィンが男のまま会場に侵入すればバランにはもちろん、クリフォードにも警戒の目を向けられてしまう恐れがある。

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