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Act Ⅳ Scene 3 : 理性と感情のはざまで。⑥

 それなのに、クリフォードは抵抗し続けている。青い目に宿らせた炎を遠ざけるように瞼を閉じた。そんなことは許さない。ぼくがこんなにクリフォードを求めているというのに!  ――いいだろう。彼がそうしたいのなら拒み続ければいい。その代わり、自分も好きにさせてもらおう。カルヴィンはクリフォードを誘惑することに決めた。  クリフォードは依然として目を閉ざしているものの、しかし彼はカルヴィンから遠ざかることはなかった。  彼はもうぼくから逃げられない。確信するとカルヴィンはにやりとした。やはり自分を遠ざけるほどの理性はもう、クリフォードにはない。カルヴィンはまず、忌々しいクリノリンを腰から抜き取り、ドロワーズを脱いだ。それから彼の太腿を跨ぐようにして座り、クリフォードと同じく反り上がったカルヴィンのものを下腹部に押しつける。今、カルヴィンが身に纏っているのは赤いドレスのみになった。 「だめだ。カルヴィン」  彼は抗議する。彼の鼻孔は大きく膨らみ、甘い誘惑からどうにか逃れようと抵抗を示していた。カルヴィンはくすりと笑うと、クリフォードが着ているジレのボタンを外していく。ジレのボタンをなかなか外せないのは緊張と欲望で目の前がちかちかするからだ。ようやくジレのボタンをすべて外し終え、彼の肩から取り除けば、分厚い胸板が大きく膨れたりへこんだりを繰り返しているのが見えた。カルヴィンはクリフォードの欲望が理性を打ち負かしてくれることを願った。

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