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Act Ⅳ Scene 4 : 宿縁。⑥

 赤い唇はもう閉ざすことができず、唾液が滴り落ちて喉元を濡らしている。  ヴァンパイアは子を宿すことができない代わりに吸血して仲間を増やす。吸血は情交となんら変わらない。吸血する行為だけでも強烈な快楽を与えられるのに、カルヴィンは今クリフォードとひとつに結ばれている。それは言葉にできないほどの快楽を体験しているだろう。中にいるクリフォードを強く締めつけてきた。  クリフォードは強い締めつけに短くうめき、彼の最奥に向けて溜まっていた欲望を勢いよく解放した。クリフォードの熱い迸りが体内に注がれる。カルヴィンは仰け反り、今もなおクリフォードの腰に両足を絡ませた状態で嬌声を上げている。クリフォードを咥えている内壁は一向に緩む気配がない。おかげでクリフォードは彼の中でふたたび息づくのを感じた。  カルヴィンは目を大きく開き、信じられないとでも言うようにこちらを見下ろす。けれどもその目は先ほど達したこともあってか焦点が合っていない。クリフォードは手のひらで臀部を包み込み、揉み込んでいく……。  カルヴィンは声にならない声を上げ、二度目の絶頂に上り詰める。さらなる強い締め付けがクリフォードを襲う。しかし彼はカルヴィンの誘惑から耐えた。深く、浅く。腰を打ち付けて自分の楔が彼の中にあることを思い知らせた。カルヴィンはひっきりなしに声を上げる。カルヴィン自身は今や噴水のように絶えず蜜を吹き出し、自らの蜜で躰を濡らしていた。上気した頬と潤んだ翡翠の目は恍惚状態にあるのか、何度も吸い上げた唇は赤く腫れていて、唾液が滴り落ちている。

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